Dominique Nachi

ストックホルム




チャンとの出会い

 

昨日出会いプライドパークで一緒に遊んだ中国人のチャン(仮名)と一緒にプライド・パレードに来た。

白のイメージで統一したGOGOユニフォームの僕とは対照的に、チャンは普段着にサングラスという至って普通の格好だった。パフォーマーでも何でもない普通の彼に、1つも興味を持てなかったのだけど、写真を撮ってあげるよといって、まるで保護者のように僕につきまとってきて、実は少し厄介に思っていた。大使館で働く彼は、プライベートも厳重に秘密主義で、ほとんど遊んだことがなく、僕からインスピレーションを受けているようだった。

 

パレード

 

トラックに乗れなかった部外者の僕らは、そこら辺の溢れる歩行者に混じった。パレードは市庁舎を出発し、約2時間かけてプライド公園に到着する。僕らはストックホルムの街を行進し始めた。

戦争にほとんど関わらず、街が破壊されていないストックホルムは、歴史的な建物がそのまま残っていて、とても美しかった。この街は秩序が保たれている。パレードは道を歩行する参加者と、それを見守る観客とで綺麗に仕切られていた。それは安全でもあるが、退屈さも感じさせた。一歩パレードの外に出ると、もの珍しげにパレードを見に来た市民と綺麗に保たれた日常が広がっており、裸姿の僕は一気に浮いた。

ピンクレイディ(ストックホルムでは有名)との遭遇

僕は観客を楽しますためにパレードに来たんじゃない、自由を感じたくてここに来た。

自由主義な僕は、一部のチームに付いて行くことに飽きてしまって、他のチームに混ざったり道の外に出て酒を飲んだりしていると、いつのまにかチャンとはぐれてしまった。

 

託されたクマさん

 

終着点のプライド公園に到着する。”Hello, how are you?“と話しかけて来た女性が”Come back here at 5 to 6. We will do hairstyle for you.“と言ってヘアスタイルの引換として僕にクマの人形を渡して去っていった。

僕の新しい友達クマさんを抱きかかえながら、ふらーと入ったブース(テント小屋)でひょんなことにHIVの検査を受けることになった。結果がでるまで、個室で担当のお姉さんと話す。

”So,how do you like Stockholm?“

”It’s nice. I like people here.“

“It’s so good to hear.”

踊り足りなかった僕は、オススメのクラブを聞いた。すごく親切で優しかったお姉さんはClub backdoorとSlakthusetを教えてくれた。

6時まで待ったが、ヘアスタイリストは現れなかったので、僕はクマさんを連れてクラブに向かった。

 

Club Backdoor

 

ストックホルムでは一番大きいゲイクラブのClub Backdoor3つのフロアからなっていて、ハウステクノ、ポップ、ラテン系と分かれていた。

ここは特にゲイだけが集まるクラブではなく、ストレートの男女、レズもいた。僕のように1人で来ている男性は、たいてい女性をナンパしに来ていた。ヨーロッパの女性は気高く、尻軽でない限り、攻撃的にアプローチしてもノーと羽返されるオチの男性を何度も見た。

ナンパという男の狩り行動。もしかしたら、自分も女でもイケるかもしれない、なんて考えると、男にならないといけないという強迫観念にかられ、とたんに踊りも楽しくなくなる。本来の自分の姿で、キャーキャー騒いじゃおう。楽しく踊っていると人は自ずと寄ってくるというメカニズムを僕は理解し始めていた。

お立ち台で踊っていたブロンドヘアの女の子と目が合い、彼女が僕に手を差し伸べた。妖精のような彼女の手はとても柔らかかった。手を繋ぎ、お立ち台に上がった。

本当に純粋に踊りが好きで、

自由な空間にいることが好きで、

僕の周りで、人々が目まぐるしく移り変わる。

Don’t miss me.

続く

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© 2020 Dominique Nachi

テーマの著者 Anders Norén