解剖学、生理学、生体力学 ③

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Biomechanics
生体力学について

生体力学には2種類のアプローチ方法があります。Kinetics(運動学)とはフォームを解析する手法です。Kinematics(運動力学)とは動きの力に着目した研究のアプローチです。ポールスポーツもこの2つの観点から分析することができます。

動きには3種類あり、Angular(円を描く)、Liner(線を描く)、General Motion(その両方を合わせたもの)です。ポールではこの線と円を描きながらGeneral Motionを駆使して体を動かしていきます。

モノを動かすと、動き続けます。止まっているものは、止まり続けます。モノはそのときの運動状態を保とうとする性質があります。これをInertia(慣性)の法則といいます。私たちの体も動かなければ何も始まりませんね(笑)この場合のモノとは、ポールのことだとすれば、ポールだって停止、回転します。ここで、ポールと選手との対話が始まります。

水泳選手は水をかき分ける力(作用)に対する水の反作用の力によって前に進みます。これをCounterforce(作用反作用)の法則といいます。自然界ではすべてのものが、何かしら力をかけると、反対方向の同じ力を発します。反作用を最大限に利用するためには、地面、ポールが安全で安定している必要があります。選手にとって足(下半身)はとても大事です。足が地面をしっかり踏ん張っていると、Counterforceの力を最大限に活かし、ポールに勢い良くジャンプ・イン/アウトできます。

モノは力をさらに加えると、加速します。これをAcceleration(加速)の法則といいます。スピニングポールで体を近づけると回転が加速します。

Verocity(速度と方向性)は、体のそれぞれのパーツによって引き起こされたすべての力の合計です。すべてのVerocityは自分が向かいたい方向に進むべきです。距離をつけるとVeronictyの力は強くなります。例えば、遠くから正しい方向に足を蹴り上げると、スムーズに逆上がりできます。

Stretch-Shortening Cycle(SSC)とは一瞬、グッと引き伸ばされた筋肉が、その直後により強く速く収縮するというシステムのことです。筋肉を逆方向に伸ばすと、進む方向に筋肉が収縮して力をさらにつけることができる。例えば、腕を後ろに伸ばすと球を遠くまで投げることができる。膝を曲げると、高くジャンプできます。反動と似ています。反動をつけることは、遠くに体を動かすためにスポーツでは自然に行っていることです。

1つの動きは次の動きに影響を与えます。ダイナミックコンビネーションで一連の動きをつなげる場合、それぞれの動きは前の動きの力に頼っています。

体を安定させるには、重心を下げること、摩擦を増やし、地面やポールに近づくことです。体の重心は身長の55%の高さ、ほぼ体の真ん中にあります。下半身の筋肉を上半身や体幹よりも先に使うことで、重心を安定させ、パワーを無駄なく最大限に生かすことができます。

スポーツのパフォーマンスを上げるのは、選手のテクニックを上げることが最も効果的です。そのために、コーチは生体力学を駆使して教えることもできます。具体的には、高く飛ぶ、体幹をしめる、腕を力強く振るなどアドバイスすることとで、効果的にパフォーマンスを向上させることができます。

それでは実際に運動を始めていきましょう。

Warm Up

ワームアップは10~20分、目的は関節/心臓/筋肉を運動の準備態勢にすることです。

  • 関節を動かす

関節を動かすことによって、Synovial Fluid(潤滑液)が分泌されます!よってCartilage(軟骨)が負荷に耐えるための能力が向上します。

  • 体を動かしCardio Vascular (心臓血管)のための脈拍を上げる。

Mobility(体を動かすということによって可動域を広げるということと)、Pulse Raiser(心臓循環を促進し脈拍を上げること)をミックスして行いましょう。冬は多め、夏は少なめに行いましょう。

  • 筋肉のストレッチ(Pre-Strech)

ストレッチをすることによってケガの防止、可動域を広げ、筋肉が動く準備をしましょう。

【FITTA】
FITTAとはFrequency(頻度)/Intensity(強さ)/Time(時間)/Type(種類)/Adherence(継続)の頭文字で、ワームアップの基準として参考にできる概念です。

上記のTypeでいうと、ワームアップには3種類のタイプがあります。Sports(真剣にやる)/Dance(リズムにのる)/Aerobic(有酸素運動)です。

【DOMS】
DOMS(Delayed Onset Muscle Soreness)とは遅れてやってくる筋肉の痛みのことです。あなたも経験したことがないでしょうか?これは、筋肉が伸びた時に負荷がかかることが原因です。筋肉の繊維が損傷したのを回復するための副作用として痛みを伴います。通常、3~5日で回復します。痛みがひどければ活動を控えましょう。整骨院、ハリ治療などを受けてみるのもよいでしょう。

Main Work Out

Work Outは、ワームアップの後、メインで行う活動(ポール/振付など)のことです。

ここでは、Cardiovasuclar (心臓)とMuscular Fitness(筋肉)の両方を鍛えることが大切です。Cardiovasuclar にはAerobic(有酸素)とAnaerobic(無酸素) とがあります。Aerobicは長い間軽い運動をすることで心臓、肺、筋肉の忍耐力を向上させます。Anaerobicは負荷をかけ筋肉を強化することです。ケガをしないよう注意しましょう。

ACSM(The American College of Sports Medicine)が発表した【Quantity and Quality Exercise】によると、一週間に最低150分運動をすること、最低週2~3の頻度でCardiorespiratory(呼吸)/Resistance(忍耐)/Flexibility(柔軟)/Neuromotor(神経)をバランスよく鍛えることが大事です。また【PRE/Rate of Perceived Exertion】とはIntensity(強さ)を番号で測定する考え方です。6が一番弱く、20が一番強い。活動の強度をモニターするための指針として活用することができます。

Conditioning

Conditioningとは筋肉の強度を向上させることです。これは、Exhaustion(過度な疲労)が目的ではなく、Fatigue(軽度な疲労)に向けて運動することです。Effort(力を入れる)ときに息を吐き、Ease(力を緩める)ときに息を吸いましょう。多くて20回までリピートします。

Valsalva’s Manoeuvre(バルサルバ法)という呼吸を止めて最大筋力を引き出すトレーニング方法もありますが、これは急激な血圧変化をもたらし、心臓に流れ込む血液を阻止するため、心臓発作や失神などのリスクがあります。私たちは力を入れるときに無意識にバルサルバ法で息を止めてしまっていることもあるので、呼吸を止めないように意識しましょう。

Cool Down

クールダウンの目的は

  • 血液が貯留するのを防ぐこと
  • Lactic Acid (乳酸)を排出する手助けをすること
  • 動きをMaintain(維持)し、Develop(向上)させること
  • 緊張を減らすこと

Cool Downによって、心拍数を通常に下げましょう。DOMSになるリスクを抑えましょう。血液に含まれるアドレナリンのレベルを下げましょう。選手の能力が発揮できるようになる時間を確保しましょう。

ストレッチは2種類あります。Maintenance Stretches(維持)とは通常の可動域でストレッチすることで筋肉の緊張を緩めること。Developmental Stretches(向上)は最大の可動域でストレッチすることで柔軟性を上げケガを防止すること。筋肉は、一定のポジションに慣れるとリラックスします。これをDensensitisation(鋭敏化)といいます。20~25秒慣れさせ、徐々に広げていくことで柔軟性を上げていきましょう。特にAdductors(内転)とハムストリングスはよく固まるので多めにストレッチするとよいでしょう。

こうして、終わりに
今日もすばらしい一日に感謝。周りに感謝。
いい運動をした自分をほめてあげてください(笑)